●正社員労組OBがメトロレディーたちを激励

2018年5月27日、東京・江古田の「ギャラリー古藤」で開催された『非正規に尊厳を!-メトロレディーブルース総集編』上映会。2回目の上映が終わると年輩の男性が花束をメトロコマースの女性たちに贈った。かれは東京メトロで車掌として40年間働いてきた労働者で、正社員の組合「東京地下鉄労組」のOBだった。「あなたたちの闘いを応援している。正社員の反省をこめてきょうは花束をもってきた。活躍してほしい」とエールを送った。そして「大きな労組が自分たちのことだけで、非正規の人たちのことに目が向かなくなっている。その原因は、組合が指令指示型の幹部だけの運動になっていて、組合員一人ひとりの運動になっていなかったことではないか」と語った。この日は、国労やNTT労組のOBも来ていたが、東京東部労組メトロコマース支部の女性たちの訴えが、確実に人々の心を捉えていることがわかった。映画と寸劇「女三人吉三(おんなさんにんきちさ)」は大好評で、「勇気と元気をもらった」と言う声が多数寄せられた。(松原明)*レイバーネット記事はこちら


映画・演劇・音楽で打って出る!〜芝居小屋で「メトロ総集編」初上映会

 そこは50年前にタイムスリップしたような「アングラ劇場」だった。2018年2月3日夜、ドキュメンタリー映画『非正規に尊厳を!−メトロレディーブルース総集編』(制作=ビデオプレス)の初披露上映会が東京・江戸川区の「新小岩ZAZA」で行われた。町工場の2階のその空間は約70人の人々でぎっしり埋まった。主催は『メトロレディーブルース』を観る下町部会で、メトロコマース支部・後呂良子さんの昔の演劇仲間たち。非正規差別を容認する裁判所の決定に「このまま放っておけない」と立ち上がったのだ。5年のたたかいをドキュメントした映画は大好評で、「涙が出てきた。感動した。ポレポレ東中野でやってほしい」「自分のところで上映会をしたい」の声が寄せられた。この日はあわせて、評判の寸劇『女三人吉三』(10分)も上演された。2度目のお披露目で磨きのかかったメトロレディー4人の熱演に拍手喝采が飛んだ。じつはこの台本を書いたのは「新小岩ZAZA」メンバーの大場吉晃さん。「33年振りに台本を書いたが反響が大きくてとても嬉しい」と満面の笑顔だった。また派遣雇止めに遭った渡辺照子さんも参加し「一緒にたたかいたい」とアピールした。この日集まったのは、ふだん労働運動に縁のない人たちばかりだったが、人々の上気した表情から確実に「訴え」が伝わっていることがわかった。同じ場所での「立ち飲み交流会」では随所に人々の輪ができた。メトロコマースの人たちにもっと話を聞く人、初めて会った人と名刺交換する人、労働・社会問題をめぐって論議をする人など、夜遅くまで「芝居小屋」は熱かった。この日の『非正規に尊厳を!』上映会は、一審敗訴で追いこまれたメトロコマース支部の反転攻勢の第一歩。映画・演劇・音楽の3つを武器に、メトロレディーたちは「非正規差別をなくすたたかい」に打って出る。あなたのところでも自主上映会を広げてほしい。(松原明)